「子どもが転んで、膝をすりむいた!」
子どもにとって、すり傷は日常生活の中でよく起こるケガのひとつです。
保育園や幼稚園では、走って転んだり、遊具で擦ったりして、膝やひじ、手のひらなどにすり傷ができることがあります。
そんなとき、
- まず何をすればいい?
- 傷は水で洗って大丈夫?
- 消毒液は使ったほうがいい?
- 絆創膏は貼ったほうがいい?
- どんな傷なら病院を受診したほうがいい?
と迷うこともありますよね。
この記事では、子どものすり傷の基本的な処置方法や絆創膏の使い方、受診の目安について、保育園看護師の視点も交えながらわかりやすく解説します。
子どもの「すり傷」とは?
すり傷は、転倒などによって皮膚が地面や物に擦れてできる傷です。
医学的には「擦過傷(さっかしょう)」と呼ばれます。
子どもでは、
- 膝
- ひじ
- 手のひら
- すね
などにできることが多く、転んだ場所によっては傷の中に砂や土、小石などが入り込んでいることもあります。
そのため、傷の大きさだけでなく、傷の中に汚れや異物が残っていないかを確認することも大切です。
子どものすり傷、まずどうする?基本の4ステップ
すり傷ができたら、慌てずに次の順番で対応しましょう。
① 手をきれいにする
傷に触れる前に、まず手を洗います。
② 出血していたら、まず圧迫する
すり傷から出血している場合は、清潔なガーゼなどを傷に当て、やさしく圧迫します。
小さな傷であれば、圧迫することで出血が落ち着くことが多いでしょう。
出血が続く場合や、出血量が多い場合は、医療機関への相談を検討します。
③ 流水で傷をしっかり洗う
出血が落ち着いたら、傷口を流水でよく洗います。
すり傷では、傷の中に砂や土などが入り込んでいることがあります。
「ちょっと水をかける」だけではなく、汚れや異物を洗い流すことが大切です。
水道水などを使って、傷をやさしく洗い流しましょう。
ただし、傷をゴシゴシこすって、さらに傷つけないように注意します。
④ 必要に応じて傷を保護する
洗浄したあとは、傷の状態に合わせて清潔なガーゼや絆創膏などで保護します。
衣服などに擦れやすい場所や、子どもが傷を触ってしまう場合は、保護しておくと安心です。
すり傷に消毒液は必要?
「ケガをしたら消毒!」と思っている方も多いかもしれません。
しかし、すり傷の処置では、まず傷を流水でしっかり洗い、汚れや異物を取り除くことが大切です。
家庭で小さなすり傷ができたからといって、何度も消毒することを基本とする必要はありません。
傷を強くこすったり、刺激を与えたりしないようにしましょう。
子どもが「絆創膏を貼って!」と言ったら?
子どもは、ほんの小さなすり傷でも、
「絆創膏を貼って!」
と言うことがあります。
「これくらいの傷なら、貼らなくても大丈夫なのに」と思うこともありますよね。
実際、保育園では、傷の大きさにかかわらず、すぐに絆創膏を貼る場面もあります。
私自身、保育園看護師として子どもたちのケガを見ている中で、ほんの小さな傷でもすぐに絆創膏を貼ることが多いことが気になっていました。
もちろん、絆創膏には傷を保護する役割があります。
ただ、「すり傷ができた=必ず絆創膏が必要」というわけではありません。
小さなすり傷なら、絆創膏が必要ないことも
例えば、
- 傷が小さく浅い
- 出血がすぐに止まっている
- 流水で汚れをきれいに洗い流せている
- 衣服などで擦れる心配がない
- 子どもが傷を触ったり、気にしたりしていない
このような場合は、必ずしも絆創膏で覆う必要はありません。
一方で、
- 膝やひじなど擦れやすい場所
- 遊んでいる間に再び傷が擦れそう
- 子どもが傷を触ってしまう
- 傷から液が出ている
といった場合には、傷を保護する目的で絆創膏などを使用することがあります。
傷の大きさや場所、子どもの様子を見ながら、必要に応じて使い分けることが大切です。
絆創膏は「おまじない」や「お守り」のような役割になることも
子どもにとって、絆創膏は単に傷を保護するためのものではないことがあります。
転んで痛かったときに絆創膏を貼ってもらうことで、「大丈夫だよ」と安心できたり、痛みが少し和らいだように感じたりすることがあります。
大人にとっては小さな傷でも、子どもにとっては「痛かった」「怖かった」という出来事。
そんなときの絆創膏は、ちょっとしたおまじないや、お守りのような役割をしているのかもしれません。
また、転んで泣いていた子が、絆創膏を貼ってもらうと「もう大丈夫!」と気持ちを切り替えられることもあります。
中には、傷を見せながら「これ、痛かったんだよ」と頑張ったことを伝えたかったり、ちょっと誇らしそうに見せてくれたりする子もいます。
だからこそ、「貼らなくても大丈夫だから」とすぐに否定するのではなく、子どもの気持ちにも寄り添いながら、傷の状態に合わせて使うことも大切だと感じています。
小さな傷で、絆創膏が必要ない場合でも、
「痛かったね」
「頑張ったね」
と声をかけるだけで、子どもにとっては安心につながります。
絆創膏を貼ると、傷の治りが遅くなる?
「傷は乾かしたほうが早く治る」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、絆創膏を貼ること自体が、傷の治りを遅くするわけではありません。
傷は乾燥させれば早く治るとは限らず、傷の状態に応じて適切な湿潤環境を保つことが治癒に役立つ場合があります。
そのため、
「絆創膏を貼らないほうが早く治る」
「絆創膏を貼ると治りが遅くなる」
と一概に考える必要はありません。
大切なのは、傷をきれいにしたうえで、その傷に合った方法で保護することです。
絆創膏を使用する場合は、汚れたり濡れたりしたら交換し、傷の状態も確認しましょう。
園では、絆創膏で覆えない傷はどうする?
保育園では、絆創膏では覆いきれないような広範囲のすり傷の場合、傷を清潔にしたうえで、滅菌ガーゼを当て、テープで固定して保護することがあります。
広い範囲の傷をそのままにしておくと、衣服や周囲の物に擦れてしまったり、子どもが傷を触ってしまったりすることがあります。
そのため、傷の範囲や場所に合わせて、絆創膏だけでなくガーゼなどを使って保護します。
ただし、これはあくまで園での対応の一例です。
傷が広範囲である、深い、汚れが取り除けないなどの場合は、家庭で無理に処置を続けず、医療機関への相談も検討しましょう。
こんなすり傷は受診を検討しましょう
すり傷の多くは家庭で処置できるものですが、次のような場合は医療機関への相談をおすすめします。
傷が深い・広い
皮膚が大きくめくれている、傷が深い、広範囲に擦りむいている場合。
砂や小石などが取り除けない
流水で洗っても異物が残っている場合は、無理にこすったり削ったりせず、医療機関に相談しましょう。
出血がなかなか止まらない
圧迫しても出血が続く場合や、出血量が多い場合は受診が必要になることがあります。
傷がどんどん赤くなってきた
傷の周囲の赤み、腫れ、痛みが強くなってきた場合や、膿が出てきた場合は感染の可能性があります。
顔など目立つ場所の傷
顔など、傷あとが気になる場所の場合は、早めに医療機関へ相談すると安心です。
転倒したときに強く頭を打っている
すり傷だけでなく、頭を強く打った、意識がおかしい、けいれんがある、繰り返し吐くなどの症状がある場合は、傷の処置だけではなく全身の状態を確認する必要があります。
保育園看護師がすり傷を見るときに大切にしていること
保育園で子どものすり傷を見るとき、私は傷そのものだけでなく、
「どこで、どのようにしてできた傷なのか」
を確認することを大切にしています。
例えば、
- 走っていて転んだ
- 遊具から降りるときに擦った
- 園庭で転倒した
- お友達との接触で転んだ
など、状況によって確認するポイントが変わります。
また、
「出血は止まっているか」
「傷の中に砂や異物が残っていないか」
「傷は深くないか」
「子どもは普段どおりに動けているか」
なども確認します。
小さなすり傷に見えても、砂や小石が入り込んでいることがあるため、傷の中までよく確認することが大切です。
子どものすり傷、家庭での処置まとめ
子どもが転んですり傷を作ったら、まずは慌てずに対応しましょう。
基本のポイント
① 手をきれいにする
↓
② 出血していたら清潔なガーゼなどで圧迫する
↓
③ 流水で傷をしっかり洗う
↓
④ 砂や異物が残っていないか確認する
↓
⑤ 必要に応じて絆創膏などで保護する
小さなすり傷なら、必ずしも絆創膏が必要なわけではありません。
一方で、傷が擦れやすい場所にある場合や、子どもが傷を触ってしまう場合には、絆創膏などで保護することもできます。
そして、「絆創膏を貼ると治りが遅くなる」というわけではありません。
傷を清潔に保ち、状態に合わせて適切に保護してあげることが大切です。
「いつもより赤みや腫れが強い」「痛みが増している」「膿が出てきた」など、傷の状態に変化がある場合は、医療機関に相談しましょう。
子どものすり傷は身近なケガだからこそ、いざというときに慌てないよう、基本の処置を知っておくと安心です。
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保育園や家庭で起こりやすい子どものケガについて、症状別にまとめています。
- すり傷
- 切り傷
- 打撲
- 鼻血
- やけど
- 虫刺され など
それぞれのケガについて、「まず何をする?」「受診したほうがいい?」をわかりやすく解説しています。


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