「保育園で転んで、ひざをすりむきました」
「鼻血が出たと聞いたけれど、家ではどう対応したらいい?」
「頭をぶつけたけど、大丈夫なのかな?」
子どもは保育園で友達と遊んだり、走ったり、ジャンプしたりする中で、思いがけずけがをすることがあります。
保育園看護師として働いていると、日々さまざまなけがに対応します。
この記事では、保育園で起こりやすいけがと、そのときに行う基本的な応急処置について、保育園看護師の視点からわかりやすくまとめます。
「どんなけがが多いの?」
「家庭ではどう対応すればいい?」
「病院を受診したほうがいいのはどんなとき?」
そんな疑問を持つ方の参考になればうれしいです。
※この記事では、一般的な応急処置について紹介しています。強い痛みや出血、意識状態の変化などがある場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。
保育園ではどんなけがが起こりやすい?
保育園では、子どもが走ったり、遊具で遊んだり、友達と一緒に遊んだりする中で、さまざまなけがが起こります。
特に身近なのが、次のようなけがです。
| けが | よくある場面 | 基本的な対応 |
|---|---|---|
| すり傷・切り傷 | 転倒、遊具、散歩 | 流水で洗い、出血があれば圧迫 |
| 打撲・青あざ | 転倒、ぶつかる | 患部を冷やす |
| 鼻血 | 転倒、鼻を触る、ぶつける | 前かがみで鼻を圧迫 |
| 頭をぶつける | 転倒、遊具、衝突 | 全身状態を確認し、必要なら受診 |
| とげ・異物 | 園庭、木製遊具など | 無理に取らず、状態を確認 |
| やけど | 給食、調理器具、熱いもの | すぐに流水で冷やす |
| 捻挫・関節のけが | 走る、ジャンプ、転倒 | 無理に動かさず、冷却・安静 |
| 口の中のけが | 転倒、ぶつかる | 出血や歯の状態を確認 |
こども家庭庁も、教育・保育施設等における事故防止や事故発生時の対応についてガイドラインを示しています。
① すり傷・切り傷
子どもに多いけがのひとつが、転んだときなどにできる「すり傷」です。
園庭や公園で転んだときに、ひざやひじ、手のひらなどをすりむくことがあります。
まずは傷口を流水で洗う
すり傷の場合は、まず傷口についた砂や泥などの汚れを流水で洗い流します。
出血している場合は、清潔なガーゼなどで傷口を押さえて止血します。
傷口に砂や小石が残っているときは?
無理にこすって取ろうとすると、傷をさらに傷つけてしまうことがあります。
流水で洗っても取れない場合や、異物が深く入り込んでいる場合は、医療機関で処置してもらいましょう。
受診を考えたいケース
- 出血がなかなか止まらない
- 傷口が深い
- 傷口が大きく開いている
- 顔など目立つ場所の傷
- 砂や小石などが取れない
- 爪の下などに深く異物が入っている
- 傷が赤く腫れてきた
- 膿が出てきた
② 鼻血
鼻血も、保育園でよく見られる症状のひとつです。
「鼻血が出たら上を向く」と思っている方もいるかもしれませんが、基本的には上を向かず、前かがみにします。
鼻血が出たときの基本
- 子どもを座らせる
- 少し前かがみになる
- 小鼻のやわらかい部分をしっかり押さえる
- 口で呼吸して、しばらく圧迫する
血を飲み込まないように、口から出せるようにします。
やってはいけないこと
- 上を向かせる
- 頻繁に鼻を離して確認する
- 鼻にティッシュを深く詰める
▶「子どもの鼻血が出たときの正しい止め方|保育園看護師が解説」
③ 打撲・青あざ
転んだり、家具や遊具にぶつかったりすると、打撲によって腫れたり、青あざができたりします。
基本は「安静+冷やす」
痛みや腫れがある場合は、患部を冷やします。
保冷剤を直接皮膚に当てるのではなく、タオルなどで包んで使用しましょう。
長時間冷やし続けるのではなく、皮膚の状態を確認しながら行います。
特に注意したいのは「頭を打ったとき」
頭をぶつけた場合は、たんこぶがあるかどうかだけでは判断できません。
その後の子どもの様子をよく観察することが大切です。
- 意識がぼんやりしている
- 何度も吐く
- けいれんがある
- 強い頭痛を訴える
- いつもと明らかに様子が違う
- まっすぐ歩けない
- 呼びかけへの反応がおかしい
このような場合は、速やかに医療機関へ相談・受診します。
④ とげが刺さった
園庭で遊んでいると、木や植物などが原因で手や足にとげが刺さることがあります。
浅いとげなら
とげの先端が見えていて、簡単に抜ける状態であれば、清潔なピンセットなどを使って取り除きます。
ただし、無理にほじったり、皮膚を傷つけたりするのは避けましょう。
こんなときは受診を
- とげが深く刺さっている
- とげの一部が残っている
- 爪の中に入っている
- 強い痛みがある
- 腫れや赤みが強くなっている
- 抜こうとしても取れない
「小さいとげだから大丈夫」と思いがちですが、無理に取ろうとしないことも大切です。
▶「子どもにとげが刺さった!家庭での取り方と病院を受診する目安」
⑤ やけど
保育園では、給食や調理、温かい飲み物などによるやけどにも注意が必要です。
やけどをした場合は、できるだけ早く流水で冷やします。
こども家庭庁も、子どもの事故が起きた際の応急手当として、やけどや打撲、出血などについて情報を掲載しています。
やけどをしたら
- すぐに流水で冷やす
- 衣服の上からやけどした場合は、無理に脱がさない
- 水ぶくれをつぶさない
- 市販の薬や食品などを自己判断で塗らない
顔、関節、手のひらなどのやけどや、範囲が広い場合、水ぶくれが大きい場合などは医療機関への相談が必要です。
⑥ 捻挫・足をひねった
走っているときやジャンプしたとき、段差で足をひねるなどして、足首などを痛めることがあります。
まずは無理に歩かせない
痛がっている場合は、無理に動かしたり、歩かせたりせず安静にします。
腫れがある場合は、患部を冷やします。
強い痛みがある、明らかに腫れている、変形している、体重をかけられない場合などは、骨折などの可能性も考えて受診しましょう。
⑦ 口の中・歯をぶつけた
転倒したときなどに、口の中を切ったり、歯をぶつけたりすることがあります。
口の中は出血が多く見えることがありますが、まずは落ち着いて確認します。
確認したいポイント
- 出血は止まっているか
- 唇や舌が大きく腫れていないか
- 歯が欠けていないか
- 歯がぐらついていないか
- 歯の位置が変わっていないか
- 強い痛みがないか
歯を強くぶつけた場合は、見た目に大きな変化がなくても、歯科医院への相談を検討しましょう。
保育園でけがをしたとき、看護師が見ているポイント
保育園で子どもがけがをしたとき、私は「傷の大きさ」だけを見るわけではありません。
大切なのは、子ども全体の状態を見ることです。
① 何が起きたのか
「どこで、何をしていて、どうなったのか」を確認します。
転んだのか、友達とぶつかったのか、遊具から落ちたのか。
けがをした状況を把握することで、注意すべきポイントが変わります。
② どこをけがしたのか
頭なのか、顔なのか、手なのか、足なのか。
同じ「転んだ」という出来事でも、けがをした場所によって対応は異なります。
③ 子どもの様子はいつもと違わないか
痛みだけではなく、
- 顔色
- 意識
- 反応
- 機嫌
- 動き
- 嘔吐の有無
なども確認します。
特に頭をぶつけた場合は、けがそのものだけでなく、その後の様子を観察することが重要です。
④ その後、普段通りに戻っているか
処置をして終わりではありません。
子どもが普段通り遊べるようになったのか、痛みが続いているのか、時間が経ってから腫れてきていないかなど、経過を見ることも大切です。
こんなときは「様子を見れば大丈夫」と自己判断しない
子どものけがでは、次のような場合は医療機関への相談・受診を考えましょう。
- 意識がおかしい、反応が悪い
- 呼びかけても普段と違う
- けいれんがある
- 繰り返し吐いている
- 強い頭痛がある
- 出血が止まらない
- 傷が深い・大きく開いている
- 明らかな変形がある
- 強い痛みが続いている
- 手足を動かせない
- 体重をかけられない
- 顔や目の周囲を強くぶつけた
- やけどの範囲が広い
- 異物が深く刺さっている
緊急性が高いと感じる場合は、救急要請を含めて速やかに対応してください。
夜間や休日など、「病院に行ったほうがいいのかな?」と迷う場合には、子ども医療電話相談「#8000」で相談することもできます。
保育園でのけがは「予防」も大切
保育園での事故を完全になくすことはできません。
子どもは、走る・登る・跳ぶ・転ぶという経験を繰り返しながら身体の使い方を学んでいくからです。
だからこそ、すべての動きを止めるのではなく、
「どんな場面で事故が起こりやすいのか」
を把握し、環境を整えたり、子どもの発達に合わせて見守ったりすることが大切です。
こども家庭庁も、教育・保育施設等における事故について、事故が起こりやすい場面ごとの注意点や、事故発生時の対応についてガイドラインを示しています。
まとめ|けがをしたときは「落ち着いて観察する」ことが大切
保育園で起こりやすいけがには、
- すり傷・切り傷
- 打撲
- 鼻血
- 頭をぶつける
- とげ
- やけど
- 捻挫
- 口の中や歯のけが
などがあります。
応急処置では、傷を洗う、出血を圧迫する、患部を冷やすなど、けがに応じた対応を行います。
そして、もうひとつ大切なのが、
「けがそのものだけではなく、子どもの全身状態を見ること」
です。
「いつもと違う」「なんとなくおかしい」という保護者の感覚も、子どもの状態を判断するうえで大切な情報になります。
この記事が、いざというときに「どうしよう?」と慌てる前の備えになればうれしいです。
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保育園で起こりやすいけがを詳しく解説
- 【子どもの鼻血】正しい止め方と受診の目安
- 【子どものすり傷】流水で洗う?消毒は必要?
- 【子どもが頭をぶつけた】受診の目安と家庭での観察ポイント
- 【子どもにとげが刺さった】安全な取り方と受診の目安
- 【子どもの打撲】冷やす?病院に行く?
- 【子どものやけど】家庭での応急処置と受診の目安
参考文献
参考・お願い
※本記事は、こども家庭庁や日本小児科学会などが公表している情報を参考に作成しています。お子さんの症状や年齢によって対応は異なります。心配な症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
※応急処置の方法は、けがの程度や子どもの状態によって異なります。この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療に代わるものではありません。


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