「子どもが転んで頭をぶつけた!」
「たんこぶができたけど、病院に行ったほうがいい?」
「頭を打った後に寝てしまったけど大丈夫?」
子どもは転んだり、遊具から落ちたり、家具の角にぶつかったりして、頭を打つことがあります。
頭をぶつけたとき、多くの場合は大きな問題がないケースもありますが、頭部は外見だけでは判断できないけがが隠れていることもあるため、ぶつけた後の様子をよく観察することが大切です。
この記事では、保育園看護師として子どものけがに対応してきた経験をもとに、
- 頭をぶつけた直後に確認すること
- たんこぶができたときの対処
- 出血したときの処置
- 頭を打った後に注意したい症状
- 病院を受診する目安
- 救急車を呼ぶ目安
- 頭をぶつけた後の家庭での過ごし方
についてわかりやすく解説します。
この記事のポイント
※この記事は一般的な応急処置や受診の目安を紹介するもので、診断を行うものではありません。症状がある場合や判断に迷う場合は、医療機関へ相談してください。
子どもが頭をぶつけた!まず何を確認する?
子どもが頭をぶつけたときは、慌てて抱き起こしたり、揺さぶったりせず、まず落ち着いて子どもの様子を確認します。
日本小児科学会の「こどもの救急」でも、頭を強くぶつけた場合には、子どもの状態や症状に応じて受診の必要性を判断するよう案内されています。
まず確認したいのは次のポイントです。
① 意識はある?呼びかけに反応する?
「大丈夫?」と声をかけて、いつも通り反応するか確認します。
- いつも通り受け答えができる
- 泣いている
- 視線が合う
- 普段と大きく変わらない
などであれば、まずは落ち着いて様子を見ます。
一方、
- 呼びかけても反応が悪い
- ぼんやりしている
- 意識がもうろうとしている
- 急に眠り込む、起こしても反応が悪い
など、明らかにいつもと違う場合は注意が必要です。
② 吐いていない?
頭をぶつけた後に嘔吐がある場合は、注意して様子を見ます。
特に、繰り返し吐く場合は、早急な受診が必要になることがあります。
こども家庭庁も、頭を打った後に繰り返し嘔吐している場合は、救急車を呼ぶか、至急病院を受診するよう案内しています。
③ けいれんはない?
体がガクガクする、意識がなくなるなどのけいれんがある場合は、救急要請が必要です。
④ 頭に傷や出血はない?
頭皮は血管が多いため、傷が小さくても出血が多く見えることがあります。
出血している場合は、清潔なガーゼやタオルなどで傷口をしっかり押さえます。
出血がひどい、圧迫しても止まらない場合は、医療機関を受診してください。
⑤ 頭がへこんでいない?
ぶつけた部分が明らかにへこんでいる場合は、自己判断で様子を見ず、医療機関を受診しましょう。
頭をぶつけたときの正しい処置
たんこぶができたら冷やす
頭をぶつけて、ぶつけた部分が腫れて「たんこぶ」ができることがあります。
子どもの救急では、頭をぶつけて腫れている部分は冷やしてあげるよう案内されています。
冷やすときは、
- 冷たいタオルを当てる
- 保冷剤をタオルなどで包んで当てる
など、直接皮膚に保冷剤を当てない方法がおすすめです。
子どもが嫌がる場合は無理に冷やす必要はありません。
そして、たんこぶがあるかどうかだけで「大丈夫」と判断しないことも大切です。
たんこぶの大きさだけではなく、その後の子どもの様子を観察しましょう。
出血している場合は圧迫する
頭をぶつけて皮膚が切れている場合は、清潔なガーゼやタオルなどで傷口を押さえて止血します。
頭部は出血が目立ちやすいため、慌ててしまいがちです。
まずは落ち着いて、傷口をしっかり圧迫しましょう。
出血が多い、なかなか止まらない場合は受診が必要です。
頭をぶつけた後、寝ても大丈夫?
「頭を打った後に寝てしまったけど大丈夫?」
これは保護者の方からも心配されやすいポイントです。
頭をぶつけた後に眠くなること自体だけで、すぐに危険と判断することはできません。
大切なのは、眠っていることよりも、起こしたときの反応や普段との違いがないかを見ることです。
例えば、
- 呼びかけに反応しない
- 起こしても反応が悪い
- いつもと明らかに違う
- ぐったりしている
などの場合は、注意が必要です。
心配な場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関や救急相談に相談しましょう。
頭をぶつけた後、こんな症状があれば受診を
頭をぶつけた後は、時間が経ってから症状が出ることもあります。
そのため、ぶつけた直後だけでなく、その後の様子も注意して見ておきましょう。
受診を考えたい症状
- 嘔吐を繰り返す
- 強い頭痛を訴える
- いつもより元気がない
- 顔色が悪い
- 反応が鈍い
- ふらつく
- いつもと違う行動をする
- けいれんがある
- 手足が動かしにくい
- 意識を失った
- 頭がへこんでいる
- 出血が止まらない
特に、意識の変化、けいれん、繰り返す嘔吐、手足が動かないなどの症状は緊急性があります。
「なんとなくいつもと違う」という保護者の感覚も大切です。
子どもの救急では、頭を強くぶつけた後の「反応がだんだん悪くなる」「繰り返し吐く」「けいれん」「手足が動かない」「意識を失った」「頭がへこんでいる」「出血が止まらない」などを確認項目として挙げています。
頭をぶつけたら救急車を呼ぶ目安

こども家庭庁も、頭部打撲後の意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐がある場合には、救急車を呼ぶか至急病院を受診するよう案内しています。
救急車を呼ぶか迷うほどの症状がある場合は、無理に自家用車で移動せず、119番へ相談することも選択肢です。
頭をぶつけた後は、どんなことに注意する?
頭をぶつけた後は、すぐに元気になったとしても、しばらくは子どもの様子をよく観察しましょう。
特に、
「いつもと同じか?」
を意識して見るとわかりやすいです。
例えば、
- 普段通り遊べているか
- 会話や受け答えはいつも通りか
- 食事や水分がとれているか
- 歩き方がおかしくないか
- 吐いていないか
- 頭を強く痛がっていないか
- 眠り方や起こしたときの反応に変化がないか
などを確認します。
こどもの救急では、緊急性がない場合も、安静にして数時間は注意深く様子を見るよう案内しています。
また、こども家庭庁も、意識があり元気な場合でも1~2日は安静にして様子を見るよう案内しています。
保育園では、頭をぶつけた子どもをどう観察している?
保育園では、子どもが頭をぶつけた場合、単純に「たんこぶがあるかどうか」だけを見ているわけではありません。
まず、
「どこで、どのように頭をぶつけたのか」
を確認します。
例えば、
- 走っていて転んだ
- お友達とぶつかった
- 遊具から落ちた
- テーブルの角にぶつけた
- 段差から転落した
など、どのような状況で頭を打ったのかは大切な情報です。
受診した際にも、
「いつ、どこで、何に、どのようにぶつけたのか」
「どのくらいの高さから落ちたのか」
などを医師に伝えると、診察の参考になります。
そのため、保育園で頭をぶつけた場合には、事故が起きた状況をできるだけ具体的に確認して保護者へ伝えることも大切です。
さらに、
「ぶつけた直後はどうだったか」だけでなく、「その後いつもと違う様子がないか」
を継続して観察します。
「たんこぶがある=大丈夫」ではありません
頭をぶつけたときに、たんこぶができると、
「腫れているだけだから大丈夫かな」
と思ってしまうことがあります。
しかし、たんこぶの有無や大きさだけで頭の中の状態を判断することはできません。
反対に、たんこぶがないから必ず大丈夫とも言い切れません。
だからこそ、
「頭をぶつけた後の子どもの様子」
を見ることが大切です。
特に、普段と違う反応や繰り返す嘔吐、けいれん、意識の変化などがあれば、早めに医療機関へ相談しましょう。
受診するか迷ったら「#8000」も利用できます
「救急車を呼ぶほどではなさそうだけど、病院に行ったほうがいい?」
「夜なので、今すぐ受診したほうがいいのかわからない」
そんなときは、**こども医療電話相談「#8000」**を利用できます。
#8000では、休日や夜間に子どもの症状について、医師や看護師から受診の必要性や対処方法について相談できます。
ただし、意識がない、けいれんしているなど緊急性が高い場合は、#8000を待たずに119番へ連絡しましょう。
まとめ|頭をぶつけた後は「子どもの様子」をよく見よう
子どもが頭をぶつけると、保護者としてはとても心配になりますよね。
頭をぶつけたときは、まず落ち着いて、
- 意識や反応
- 嘔吐の有無
- けいれんの有無
- 出血や傷
- 頭の腫れやへこみ
- いつもと違う様子がないか
を確認しましょう。
たんこぶができた場合は、冷たいタオルなどで冷やして安静にします。
一方で、
意識がない・反応がおかしい・けいれん・繰り返す嘔吐・手足が動かない・出血がひどい
などの症状がある場合は、救急対応が必要です。
頭をぶつけた直後に元気そうでも、その後に症状が変化することがあります。
「いつもと違う」と感じたときは、無理に様子を見続けず、医療機関や#8000へ相談しましょう。
子どもの頭のけがは、「ぶつけた場所」だけでなく、その後の子どもの様子を観察することが大切です。
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子どものけがは、頭をぶつける以外にも、すり傷や鼻血、切り傷などさまざまです。
それぞれの対処法や受診の目安はこちらにまとめています。
→保育園の怪我・応急処置まとめ
転んで頭だけでなく、ひざや手のひらを擦りむいてしまった場合はこちらも参考にしてください。
→「子どものすり傷|正しい処置と受診の目安」
転んだときなどに鼻血も出ている場合は、こちらの記事で正しい止血方法を確認してください。
→「子どもの鼻血が出たらどうする?正しい止め方と受診の目安」
参考資料
- こども家庭庁「もしもの時の『応急手当方法』」
- 公益財団法人 日本小児科学会「こどもの救急 ONLINE-QQ」
- 厚生労働省「こどもの症状は#8000」
- 消費者庁「テーブルの角に一工夫、家具などにぶつけた時のけがを軽減しましょう」
※受診の判断は、お子さんの年齢や症状、受傷状況によって異なります。この記事だけで判断せず、心配な場合は医療機関へ相談してください。


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