公園で遊んでいたら、とげが刺さってしまった。
木の枝や遊具、園庭などで遊んでいると、子どもの手や足に「とげ」が刺さることがあります。
「小さいからすぐ抜けそう」と思っても、子どもが痛がって動いたり、とげが途中で折れたりすると、かえって取りにくくなることも。
今回は、保育園看護師として子どものけがに対応してきた経験をもとに、
- 子どもにとげが刺さったときの基本の対処
- 家庭で取ってもよいケース
- 無理に抜かないほうがいいケース
- 受診を考える目安
- とげを抜いた後のケア
について、わかりやすくまとめます。
「どうしよう、取れない……」と慌てたときに、この記事を思い出してもらえたらうれしいです。
子どもにとげが刺さった!まずは落ち着いて確認
とげが刺さったら、まず子どもを落ち着かせましょう。
小さなとげでも、子どもにとっては痛くて怖いものです。
「痛かったね。大丈夫だよ。見てみようね」
と声をかけながら、刺さっている場所を確認します。
最初に確認したい5つのポイント
- どこに刺さっているか
- とげが見えているか
- どのくらい深く刺さっているか
- とげの先をつまめそうか
- 出血や腫れ、強い痛みがないか
この時点で「これは自分で抜くのは難しそう」と感じたら、無理に触らないことも大切です。
子どものとげを家庭で抜く方法
とげが小さく、皮膚の表面近くにあり、先端が見えていて簡単につまめる場合は、家庭で取り除けることがあります。
基本は、
「清潔にする → ピンセットでつまむ → 刺さった方向にゆっくり抜く」
です。
① 手を洗う
まず、保護者の手を石けんと流水でよく洗います。
とげを抜く前後は、傷の周囲も清潔にしておきましょう。
② 刺さった場所を確認する
明るい場所で、どこにとげが刺さっているのか確認します。
小さなとげは見えにくいため、必要であれば虫眼鏡などを使うと確認しやすくなります。
③ 清潔なピンセットでつまむ
とげの先端が皮膚から出ている場合は、清潔なピンセットでとげをしっかりつまみます。
そして、とげが刺さった方向に沿って、ゆっくり抜きます。
無理に横方向へ引っ張ったり、勢いよく引っ張ったりしないようにしましょう。
とげを押し出そうとして皮膚を強くつまむと、とげが折れてしまうことがあります。
④ 抜いた後は傷口を洗う
とげが抜けたら、傷口を流水で洗い、清潔にします。
その後、必要に応じて絆創膏などで保護しましょう。
小さな傷でも、子どもが触ってしまう場合は、絆創膏を貼っておくと安心です。
小さな傷のケアについては、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 子どものすり傷|正しい処置とケア
とげが皮膚の中に入り込んでいるときは?
「とげの先が見えない!」
そんなときは、無理にほじり出そうとしないことが大切です。
大人の場合は、清潔な針などを使って皮膚を少し開き、とげを取り出す方法が紹介されることもあります。
しかし、子どもの場合は動いてしまう可能性があるため、家庭で針を使って皮膚をほじることはおすすめしません。
特に、
- とげが完全に皮膚の中に入っている
- 深く刺さっている
- どこに入っているのかわからない
- 子どもが嫌がって動いてしまう
- 何度試しても取れない
という場合は、無理に続けず医療機関へ相談しましょう。
【こんなときは無理に抜かないで】受診を考える目安
小さなとげでも、次のような場合は医療機関で診てもらうことをおすすめします。
① とげが深く刺さっている
皮膚の奥まで入り込んでいる場合は、無理に抜こうとすると周囲の組織を傷つける可能性があります。
② とげの先が見えない
皮膚の中に完全に入り込んでいる場合や、どこにあるのかわからない場合は、自分で探してほじらないようにしましょう。
③ とげが途中で折れてしまった
「抜けた!」と思っても、とげの一部が残っていることがあります。
抜いたとげが短くなっていたり、先端が残っているように感じたりする場合は、無理に探さず受診を検討しましょう。
④ 何度やっても抜けない
何度もピンセットで触ると、皮膚を傷つけたり、とげをさらに奥へ押し込んだりすることがあります。
「一度やってみて、難しかったら病院へ」
くらいの気持ちで大丈夫です。
⑤ 強く痛がっている
とげが小さくても、深く刺さっていると強い痛みが出ることがあります。
強い痛みが続く場合は受診しましょう。
⑥ 目の周りなど、大切な場所に刺さった
目の中や目の近くなど、デリケートな場所に異物が刺さった場合は、自分で抜こうとせず医療機関へ相談してください。
目に異物が埋め込まれている場合は、緊急の診察が必要になることがあります。
とげを抜いた後、こんな症状があれば受診を
とげを抜いた後も、傷の状態を少し確認しておきましょう。
こんな変化に注意
- 赤みがどんどん広がっている
- 腫れが強くなっている
- 痛みが強くなっている
- 膿が出ている
- 触ると熱をもっている
- 発熱がある
- とげが残っているような感じがする
このような場合は、感染などの可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。
とげが刺さったとき、やってはいけないこと
とげを早く取りたい気持ちから、ついやってしまいがちなことがあります。
❌ 指で強く押し出す
皮膚を強く押すことで、とげが折れたり、さらに奥へ入り込んだりすることがあります。
❌ 何度もピンセットで探す
取れないからと何度も皮膚を刺激すると、傷が大きくなってしまいます。
❌ 子どもを押さえつけて無理に抜く
子どもが怖がって動く状態で無理に処置をすると、ピンセットなどで皮膚を傷つけてしまう危険があります。
「今は無理そう」と思ったら、いったん中止して大丈夫です。
「とげが刺さった=すぐ病院」ではありません
とげが刺さると心配になりますが、すべてが受診が必要というわけではありません。
例えば、
✔ 小さい
✔ 浅い
✔ とげの先が見えている
✔ ピンセットで簡単につまめる
✔ 抜いた後の傷もきれい
という場合は、家庭で取り除いて様子をみられることがあります。
一方、
✔ 深い
✔ 見えない
✔ 折れた
✔ 取れない
✔ 強く痛がる
✔ 腫れや赤みが強い
という場合は、無理をせず医療機関へ。
大切なのは、「何としてでも家で抜く」ことではありません。
保育園看護師として、とげのけがで大切にしていること
保育園で子どもにとげが刺さったとき、まず大切にしているのは、「とげを抜くこと」だけを目的にしないことです。
実際に、とげの先が見えていて「これなら抜けそう」と思っても、いざ抜こうとすると怖がってしまい、なかなか処置ができないことがあります。
子どもが怖がって動いてしまう状態で無理に抜こうとすると、皮膚を傷つけたり、とげが途中で折れてしまったりする可能性もあります。
そのようなときは、無理にその場で抜こうとせず、保護者に状況を伝えて、医療機関を受診してもらったこともあります。
「1本に見えたのに……」ということも
また、肉眼では「とげが1本刺さっている」と思っていたケースでも、病院で診てもらうと、実際には複数のとげが刺さっていたことがありました。
「見えているものが全部とは限らないんだな」と、私自身も驚いた経験です。
特に小さなとげは、皮膚の中に入り込んでいたり、折れて一部が残っていたりすると、外からは分かりにくいことがあります。
そのため、
「見えているから大丈夫」ではなく、子どもの痛みや刺さった状況も合わせて判断する。
これを大切にしています。
同じ場所で続くときは「環境」も確認する
保育園では、子どものけがを一人ひとりの問題として終わらせないことも大切です。
以前、同じ場所や同じ遊具で、とげが刺さるけがが何例か続いたことがありました。
そのような場合には、
- どの場所で起きているのか
- どの遊具で起きているのか
- どの部分にとげがあるのか
- 子どもがどのような遊び方をしているのか
などを確認し、職員間で情報を共有して注意喚起を行います。
必要に応じて、遊具や周辺環境の点検・修繕につなげることも大切です。
一人の子どもの「とげが刺さった」というけがを、その場の処置だけで終わらせず、
「なぜ起きたのか」
「同じことがまた起きないか」
という視点で見る。
これも、保育園看護師として子どものけがに関わるうえで大切なことだと感じています。
小さなとげでも、子どもにとっては立派な「けが」
とげは小さな傷に見えるため、「これくらいなら大丈夫」と思ってしまいがちです。
でも、子どもにとっては痛くて怖い経験です。
だからこそ、無理に処置を進めるのではなく、子どもの様子を見ながら、安全にできる範囲で対応すること。
そして、必要であれば医療機関につなげる。
「抜けるかどうか」だけではなく、子どもの安全と安心を優先することを大切にしています。
とげを抜いた後は「頑張ったね」のひとことを
子どもにとって、とげを抜くことは思っている以上に怖いものです。
無事に抜けたら、
「頑張ったね!」
「もう大丈夫だよ」
と声をかけてあげましょう。
絆創膏を貼ってほしいと言われたら、傷の保護だけでなく、「もう大丈夫」という安心のおまじないとして貼ってあげるのもいいですね。
子どもにとっては、処置そのものよりも、
「痛かったけど、おうちの人が助けてくれた」
という経験が安心につながることもあります。
まとめ|子どものとげは「無理に抜かない」が大切
子どもにとげが刺さったら、まずは落ち着いて刺さった場所と深さを確認しましょう。
家庭で抜けるのは、浅く刺さっていて、先端が見えている小さなとげ。
清潔なピンセットで、とげが刺さった方向に沿ってゆっくり抜きます。
一方で、
- 深く刺さっている
- とげが見えない
- 折れてしまった
- 何度やっても抜けない
- 強く痛がっている
- 目の周囲などに刺さった
このような場合は、無理に抜こうとせず医療機関へ相談しましょう。
また、抜いた後に赤み・腫れ・痛みが強くなったり、膿が出たりする場合も受診が必要です。
「小さなとげだから大丈夫」と決めつけず、子どもの様子を見ながら、無理をしないこと。
それが、子どものけがを安全に処置するための大切なポイントです。
子どものけがについて、ほかの症状もまとめています。
▶ 保育園で起こりやすい子どもの怪我・応急処置まとめ
迷ったときは「#8000」も利用できます
夜間や休日に、
「この程度で病院に行っていいのかな?」
「受診したほうがいい?」
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参考資料
※この記事は、子どものけがへの一般的な対処についてまとめたものです。症状やけがの程度によって対応は異なります。心配な場合は医療機関へご相談ください。


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