「高い熱が出た」
「のどが真っ赤になっている」
「扁桃に白いものがついている」
子どもにこのような症状があると、
「溶連菌かな?」
「アデノウイルスかな?」
と気になることがあります。
溶連菌とアデノウイルスによる感染症は、発熱やのどの痛みなど共通する症状があるため、症状だけでは見分けにくいことがあります。
この記事では、溶連菌とアデノウイルスの違いを比較しながら、症状・検査・治療・登園の目安について、保育園看護師の視点も交えて解説します。
※この記事では、アデノウイルス感染症の中でも、発熱・のどの症状・目の症状が特徴的な咽頭結膜熱(プール熱)を中心に比較しています。
溶連菌とアデノウイルスの違いを一目で比較

※アデノウイルスは、咽頭結膜熱以外にも呼吸器感染症、流行性角結膜炎、胃腸炎など、さまざまな感染症を起こします。
溶連菌とは?
溶連菌感染症は、A群β溶血性レンサ球菌によって起こる感染症です。
主な感染経路は飛沫感染や接触感染で、子どもでは咽頭炎としてみられることが多く、発熱やのどの痛み・腫れなどがみられます。
また、発疹や「いちご舌」がみられることもあります。
溶連菌でみられる主な症状
- 発熱
- のどの痛み・腫れ
- 扁桃の腫れ
- 扁桃に白い付着物がみられることがある
- 首のリンパ節の腫れ
- 発疹
- いちご舌
- 腹痛・吐き気・嘔吐など
症状には個人差があり、すべての症状が出るわけではありません。
溶連菌について詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ🌿
→ 「溶連菌とは?症状・登園の目安・家庭で気をつけたいこと」を詳しく見る
アデノウイルスとは?
アデノウイルスは、さまざまな感染症を起こすウイルスです。
アデノウイルスによる病気には、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、呼吸器感染症、胃腸炎などがあります。
そのため、
「アデノウイルス=プール熱」ではありません。
今回の記事では、溶連菌と共通する「発熱・のどの症状」に加えて、目の症状が特徴的な咽頭結膜熱(プール熱)を中心に比較します。
咽頭結膜熱(プール熱)でみられる主な症状
- 発熱
- のどの痛み
- 扁桃の腫れ
- 目の充血
- 目やに
- 頭痛
- 全身のだるさ
- 腹痛・下痢など
咽頭結膜熱では、発熱・咽頭炎・結膜炎が主な症状です。
プール熱(咽頭結膜熱)について詳しく知りたい方はこちらもどうぞ🌿
→ 「プール熱(咽頭結膜熱)とは?症状・登園基準・家庭でのケア」を詳しく見る
溶連菌とアデノウイルス、症状の違いは?
ここからは、似ている症状をひとつずつ比較してみましょう。
発熱
どちらも発熱することがあります。
特に咽頭結膜熱では、高熱がみられることがあります。発熱とともに、のどの痛みや結膜炎などを伴うことがあります。
ただし、
「高熱だからアデノウイルス」
「熱がそれほど高くないから溶連菌ではない」
とは言い切れません。
発熱の高さだけで判断することはできません。
のどの痛み・扁桃の腫れ
ここは、溶連菌とアデノウイルスで共通してみられる症状です。
溶連菌では、発熱やのどの痛み・腫れ、扁桃の化膿などがみられます。
咽頭結膜熱でも、発熱とともに咽頭痛や扁桃炎がみられます。
そのため、
「のどが真っ赤」
「扁桃に白いものがある」
というだけでは、どちらかを判断することはできません。
目の充血・目やに
ここは、アデノウイルスによる咽頭結膜熱を考えるときのポイントです。
咽頭結膜熱では、発熱・のどの症状に加えて、結膜充血などの目の症状がみられます。
一方、溶連菌では目の症状は代表的な症状ではありません。
そのため、
「発熱+のどの痛み+目が赤い」
という組み合わせでは、咽頭結膜熱などのアデノウイルス感染症が考えられることがあります。
発疹・いちご舌
溶連菌では、発疹やいちご舌がみられることがあります。
ただし、すべての子どもに出るわけではありません。
そのため、
「発疹がない=溶連菌ではない」
とは言い切れません。
「のどに白いものがある=溶連菌」ではありません
ここは、ぜひ覚えておきたいポイントです。
扁桃に白い付着物があると、
「溶連菌かもしれない」
と思うことがあります。
しかし、アデノウイルスでも咽頭炎・扁桃炎を起こすため、のどの見た目だけで溶連菌と判断することはできません。
必要に応じて医療機関で検査を受け、診断してもらうことが大切です。

溶連菌とアデノウイルスは検査で調べられる?
溶連菌では、咽頭ぬぐい液を使った迅速検査などが行われます。
アデノウイルスでも、症状や必要性に応じて抗原検査などが行われることがあります。
ただし、すべての発熱やのどの痛みに検査が必要というわけではありません。
子どもの年齢や症状、周囲の感染状況などを踏まえて、医師が検査の必要性を判断します。
治療方法にも違いがあります
溶連菌の場合
溶連菌は細菌による感染症のため、診断された場合には抗菌薬による治療が行われます。
こども家庭庁の保育所向けガイドラインでも、適切な抗菌薬による治療が行われることが示されています。
処方された薬は、症状が良くなったからと自己判断で中止せず、医師の指示どおりに服用しましょう。
アデノウイルスの場合
咽頭結膜熱には特異的な治療法がなく、基本的には対症療法が中心です。
水分をとり、十分に休むことが大切です。
登園できるのはいつ?
保育園に通っている子どもの場合、気になるのが「いつから登園できる?」というところですよね。

溶連菌感染症
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、
抗菌薬内服後24~48時間が経過していること
が登園のめやすとされています。
もちろん、熱が続いている、元気がない、水分や食事が十分にとれないなど、全身状態が悪い場合は無理に登園しないことが大切です。
咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱では、
発熱、充血などの主な症状が消失した後2日を経過していること
が登園のめやすです。
保育所によって、登園届などの書類が必要な場合があります。
実際の登園については、受診した医療機関や通っている園のルールも確認しましょう。
家庭で気をつけたいこと
どちらの感染症でも、家庭内での感染を広げないために、手洗いなどの基本的な感染対策を行いましょう。
特にアデノウイルスは接触感染にも注意が必要です。
- 手洗いをこまめに行う
- タオルを共用しない
- 使用した食器などを共有しない
- 嘔吐や下痢がある場合は、適切に処理する
- 目やにを拭いた後は手を洗う
咽頭結膜熱では、タオルなどの共有を避けることも感染拡大防止につながります。
保育園看護師として感じる「似た症状の病気」の難しさ
保育園では、
「熱が出た」
「のどが赤い」
「食欲がない」
といった症状の子どもを見ることがあります。
でも、こうした症状だけでは、原因となっている病気を判断することはできません。
溶連菌とアデノウイルスのように、共通する症状が多い感染症もあります。
そのため保育園では、子どもの体調や症状の変化を確認しながら、必要に応じて保護者へ受診をお願いしています。
看護師としても、
「この症状だから、この病気」と決めつけないこと
を大切にしています。
こんなときは受診を
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
- 水分がとれない
- 尿が少ない
- ぐったりしている
- 呼吸が苦しそう
- のどの痛みが強く、食事がとれない
- 高熱が続いている
- 目の充血や目やにが強い
- 発疹が出ている
- 嘔吐を繰り返している
- いつもと明らかに様子が違う
乳幼児は、自分の症状をうまく伝えられないことがあります。
「熱が何℃あるか」だけでなく、水分・食事・尿・機嫌・活気など、普段との違いも確認してあげましょう。
まとめ|溶連菌とアデノウイルスは症状が似ていることも
溶連菌とアデノウイルスは、どちらも発熱やのどの痛みを起こすため、症状だけでは区別しにくいことがあります。
溶連菌
- 発熱・のどの痛み
- 扁桃の腫れ
- 発疹やいちご舌がみられることがある
- 抗菌薬による治療が行われる
アデノウイルス
- 発熱・のどの痛み
- 目の充血・目やにがみられることがある
- 咽頭結膜熱では高熱や結膜炎などがみられる
- 基本的に対症療法
ただし、アデノウイルスには咽頭結膜熱以外にもさまざまな病型があります。
今回の記事では、溶連菌と症状が似ている咽頭結膜熱(プール熱)を中心に比較しました。
症状だけで自己判断せず、子どもの様子をよく観察し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
子どもの病気・症状を比較してチェック
「似たような症状だけど、何が違うんだろう?」
そんなときに役立つよう、子どもの感染症や症状を比較してまとめています。
気になる症状から、あわせてチェックしてみてください。
※この記事は、こども家庭庁、国立健康危機管理研究機構などの公的情報をもとに作成しています。症状や登園については、子どもの状態や園の規定によって異なる場合があります。心配な症状がある場合は医療機関へご相談ください。


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